復活の水平線大怪獣奪還計画 撮影試験映像 全カット解説

各カット解説

標章

この映像は非常にまわりくどい宣伝映像であり、目的はFILMASSEMBLERの知名度を上げることにあるのですから、標章は必須です。今までは単に表示しているだけでしたが、FとAの左側を構成する斜めの線をアニメーションと共に表示させて、より印象深いカットにすることを試みました。

なお、この標章は明るい線をなぞるとFILMASSEMBLERの略称FA、暗い線をなぞるとFILMの文字が浮かびあがるようになっています。

肩書き

意味はありません。ただこういう肩書きをつけてみたかったのです。

線と重心、基礎

ヒロインである草壁のカット。最初と真ん中と最後にこのカットを分割して入れることで、表現したかったのは他でもない、春の、夏の確かな香りのする春の空気感です。

構図上は対象を真ん中に納め、水平方向の線も垂直方向の線も、できる限り彼女の中心に重心がくるように配置することを狙っています。重心とはなにか、言葉で説明することは大変難しいですが、この記事を最後まで読んでいただけたら、ああなるほどこんなものか、と大体は納得していただけると思います。

太い一発の打楽器で始まり、動き出すまでの余韻のある音楽の間をフェードアウトさせることで接合しました。音楽の刻みとカットの切り替えを一致させるスポッティング作業は簡単に快感を与えられる手法なので、この手の映像を作る際はカットを増やしておくことを強くおすすめします。

意図のないカット

さて、意図を伝えようと始めた今回の記事は、早くもここで破綻しました。このカットを撮影していたときに考えていたことは「なんで非圧縮録画できないんだろう」「ああくそ揺れてる」「こんなに感度上げてしまって大丈夫かな」の三点であり、他の何を考える余裕もありませんでした。根拠なんて後付けでも構わないのですが、特に思いつきません。

確かなのは、こういう大変困ったときに無意識に、例えば船の屋根を支える柱などの「写ってはいけないもの」を画面から外し、「写っていてほしいもの」をまあ自分としては目を瞑っても構わないだろうと思える位置に収められるかどうかが日頃の練習の成果が発揮されるときであるということです。ですから、大型の映画撮影用カメラを買って持っている必要はありませんが、撮影技師はそれなりに訓練を行う必要があるものと考えられます。

回避

テロリストの親玉、野々村です。アウトレットモール跡地で撮影したので、童話的な背景をいかに写さないか考えた結果、このような絵になりました。気をつけたのは、画面の真ん中を貫く意図のない線が出ないようにすることと頭が画面外にはみだして切れないようにすることです。

なお、コンテにもこんなカットはなく、最終的には反映されていませんが「俺だ」という台詞もその場で考えたものです。カット数をとにかく稼ぎたいがために予定がないのに撮った、いわゆる撮影計画外のカットです。

意図のないカットその2

前のカットと同じく、船の揺れをいかに吸収するかしか考えていなかったカットです。

美術と演出

これが問題となった、Bセグメント、家族向け小型車「日産・マーチ」で進撃するテロリストのカットです。別にマーチ自体は悪い車ではなく、ドリーやクレーン、照明機材といった重量物を満載したにも関わらず、まったく問題なく走行した素晴らしい車ですらありますが、爆弾を道路にしかけて警戒中の警察や自衛隊と一戦交えて謎のコンテナを強奪する大物テロリストの乗る車としては明らかに役者不足です。

つまり、このカット、この構図、この動きの意図は他でもない、いかに車格をごまかすかという一点にありますが、ルームミラーの実用的な作りがよくわかることからその意図が破綻したことは明かです。

これがマーチでもNISMOであり、しかも野々村自身が運転していたら、家計と「走り」の間で妥協点を見いだした涙ぐましいテロリストとしてまた別の印象を残したことは間違いありません。つまり、車の選択とはそれなりに大事な問題なのですが、なにせ主として動員された人間のうち、普通運転免許を持つ人間はたったの四人であり、一人は五年間の走行距離が200ミリメートル、一人は自分一人の命だけが危険にさらされるべきと主張し、もう一人は直進と左折以外不可能という惨状であり、監督は大の車嫌いですからそんな問題があるとは知るはずもなく、最も安い普通車のレンタカーを手配してしまったのです。残念というほかありません。

なお、車を後ろから撮ると、エコカー減税の対象となることがわかります。環境テロリストならその手の演出もありでしょう。

揺れへの対応

繰り返しますが船の揺れを以下に吸収するか、撮影者の意識はその一点にのみ集中しています。INTERCEPTOR、ENTERPRISEと続けて3度目の船上撮影、FILMASSEMBLERが、否監督が大好きな船上撮影ですが、特殊な機材なしに揺れを吸収することは大変難しく、練習と上手く行ったコマのみ使う、という二つの手段で逃げています。

しかし近年はジャイロスコープを用いた誰でも簡単に揺れを吸収できる素晴らしい装置が出始めています。未だなかなか手が届く価格帯のものではないですが、そのうち誰でも簡単に船上撮影ができるようになり、絵作りを考えて撮れるようになるでしょう。期待しています。

重心を力業で変える

用意していたステディカムにNEX-FS700が積載できないことが発覚し、手持ちで撮影したカット。この手の縦位置で手前に迫ってくる人物を後退しながら撮影する、という映像を滑らかに見せることは大変難しく、大変な機材と場所の確保が要求されるため、あまり低予算映画でやるべきではありません。手持ちで揺れるのでカットを短くして逃げています。

手持ちで移動撮影しているため、なかなか構図を確保することが難しいのですが、人物が常に中心に来るようにしています。次第に二人は迫ってくるので、最初は下に寄せています。後退して歩く人間より、前進して歩く人間の方が速いのはあきらかですから、当然です。左右どちらかに寄せるには撮影場所に問題があり、またそれをする意図も見当たらないので、日の丸構図で行きます。日の丸構図を目の敵にする人もいますが、別にそれほど悪いものではありません。強いて言えば若干重心が右よりになりすぎて辛いですが、車道のど真ん中を歩くわけにも、このビルを爆破するわけにもいかず、歩道を歩く以上しかたのないことです。もしもどうしても、というのなら、左側の空いた空間にCGIかマットペイントでビルでも建てて安定化を図ります。少なくとも、右側のビルを消すより、楽でしょう。

SONY NEX-FS700は素晴らしいカメラ

まだまだ船の揺れとの格闘は続きます。これが35mmフルサイズの撮像素子で感度をISO3200ぐらいまでに引き上げられたら、もっと強烈な映像になったと思うので、SONYさんには是非NEX-FS700後継機のフルサイズ機を出して頂きたいなと思います。2014年4月現在、低予算映画においてもNEX-FS700以上の素晴らしいカメラは存在しません。4K/RAW/高速度撮影と三拍子揃った最高のカメラです。もっと値段が安ければ本当に嬉しいですね。試験ならいくらでもいたしますので、是非新型機をよろしくお願いします。

クレーンの利用

平和精機工業製、Libec JB-30というクレーンで作ったカットです。クレーンがあったらこういうことができるよね、というお手本のようなカットです。まず大事なことは間違っても高価なLEXUS ISに傷をつけないことであり、次に大事なことはナンバプレートを写さないようにすることです。演出意図もへったくれもあったものではありませんが、低予算映画なんてそんなものです。このクレーンはすばらしいものですが、いかんせん運用に人数が必要で、なかなか出動の機会がありません。

編集でカットの順序に法則を作り出す

まだまだ続く船の揺れとの戦いです。編集レベルでの話になりますが、お気づきのように船上から撮影したカットとそれ以外の人物紹介カットを交互に組んでいるため、しばらくこれは続きます。なかなか素材の絶対的な数が少ないため難しいですが、なんとか法則を作り出そうと実は苦心していたりします。作り出したからといってだからなんなんだ、という話になりますが、それが芸術的なこだわりの世界です。

表示系

INTERCEPTORのころからやっているお家芸の一つ、「表示系」です。ご丁寧にmodoでモデリングしたモデルに、Keynoteで作った素材を貼り付けてmodoで撮影した映像を、ディスプレイに表示してカメラで撮影する、という手の込んだことをやっています。とにかく時間がなく、数時間で仕上げたので、寄せて寄せて寄せて作り込みの甘さから逃げています。表示が切り替わる一瞬を採用して情報量を上げるという姑息な手段を講じていることにも注目してください。

使える素材を用意する

船体の揺れシリーズの最後です。もっといろいろ撮れればこんなことしなくて良かったのですが、曲の構成とスポッティングの調整上こうするしかなくなった、というわけです。つまり、この手の細かいカットを重ねる種類の映像を作るときにはどれだけ撮影計画外のカット、使える素材をたくさん用意できるかにかかっていて、正直に申し上げて「深刻な素材不足」を乗り切るために、この船体の揺れシリーズが使われた、というのが実状です。

街中の広角レンズ、怪獣映画の構図

この手の街角撮影はFILMASSEMBLER撮影部の十八番で、やればできることはわかっているので、今回は下見すら行かず、Google Street Viewでよさげなところを探し、そこに撮影許可申請を出すという荒技でやってのけました。この十八番を最大限活用したのが、現在後処理作業中のENTERPRISEです。

東京の狭い道路で建物を収め、「街中の人物」を撮影するためには11-16mmのレンズが有効で、これを使ってアオれば、簡単に格好いい絵が作れるので、そうした、という手本のような絵です。そして気付いているかもしれませんが、これはミニチュア特撮で怪獣の巨大感を出すための基本的なテクニックでもあります。誇張された遠近感も手前にある建物を巨大に作り、遠くの建物を小さく作り、狭いスタジオで広大な空間を演出する、疑似強制パースの技法と同じです。というわけで、あとはこの建物の向こう側に大怪獣が出現し、上空に対戦車ヘリコプタが飛べばオッケイ、そういうカットです。

まあ、大怪獣奪還計画の怪獣は街中に出現しないのですが・・・・・・。大怪獣奪還計画、大怪獣防衛指令、大怪獣殲滅作戦と三部作になっており、最終作では街で大怪獣が大暴れしますので、ご覧になりたい方は、まずは大怪獣奪還計画の予算調達について考えてください。アクション多数、この偽予告編には出てない戦闘美少女が出たりとか、刑事もわらわら出たりとか、とにかく娯楽に走った作品です。10億円ほどあれば良いのですが、まあやりようはあるでしょう。連絡お待ちしております。

「巨大なものの前に背を向けて佇む」

停船しているので、それほど揺れには気を使っていません。この工場の巨大で複雑な建物に生物的な感触を覚えたので怪獣に見えないかなと思って作ったカットです。この手の「巨大なものの前に背を向けて佇む」という絵はとにかく格好良くなるので、多用します。重量配分もしやすく簡単に安定が得られます。少し左に寄っていますが、こんなのちょっと右側にライトを追加してやればなんとかなります。背景だけ左右対称にしてしまう、という手でもいけます。

やはりもっと感度を上げて光量を増やすと神秘感が増して良いものになったかと思われます。技術の発展は表現に寄与します。開発を続けたいと思います。

未完成の重量配分法

とにかくこの背景の線についてヘマをしたカットです。中途半端なところに変な線をおいてしまって、失敗しました。消すべきでしたね。

写真の教科書みたいな黄金分割の図ですが、あまり重心が左に寄っていて不安定だなという印象は受けません。このあたりが非常に主観的で画面構築上の技術として重量配分法を提唱できない要因となっています。映画製作に関わる、あらゆる人間の定性的な価値観、情感を定量化し、手技ではなく言語として伝達可能な技術にする、というのがFILMASSEMBLERの目標のひとつですが、その目的の前に立ちはだかる問題のひとつです。

重心を中心に

このように左に人物を置いたときに、右に建物をおいて画面上の情報量を配分し、重心を中心にするというのが、現在構築中の画面構築理論、重量配分法です。いやすでに誰かが提唱しているのかもしれませんが、今のところ知りません。

フォーカス送り

フォーカス送りはPATHFINDERでやって死ぬほど苦労しましたが、モノにしてよかったと思う技術です。仕上げで潰していますが、背景はサテン地の布で、たたみじわが実はあります。背景に布地をおいたり、花をおいたりってやってなかったので、やってみた、それだけです。背景布はハイミロンという生地が良いそうです。次回は試してみます。

編集のミス

ここで草壁が右に来てはいけませんね。今までのカットの繋がりでは常に草壁は左に来ていたわけですから、左に来ないと繋がりません。失敗です。

正義と悪の法則

野々村がここで右に来ると、「正義は左、悪は右」という法則が作られてよかったので、なおさらです。編集もそうやって凝ると落ちつく、と個人的には思っています。

トラッキングの試験

クレーンの試験カットです。実はこれ、処理が間に合わなかったカットで、背景をほぼ全置換するつもりでした。全面的に砂利にし、墜落したブラックホークの残骸をまき散らすつもりだったのです。ですからよく見ると、マーカが地面に埋まっています。なお、最新のトラッキングソフトウェアを使えば物理マーカがなくてもこれぐらいの動きなら忠実にトラックしてくれることがわかっています。

ドリーの試験カット

ドリーを開発するにも載せたドリーの試験カットです。もちろん使います。このカットはステディカム管轄ではないのに監督が決めていない珍しいカットです。手前の踏み板の網が空間の狭さを演出していて、いいカットです。

お気に入りのカット

かなり気にいっているカットの一つです。左右の重量配分はもちろん、フォーカスポイントも、奥行き感も、動きも気に入っています。

いいわけ

中間点ですね。なんか痴漢みたいな動きになってしまったのは演出が悪い。時間が押していたので、勘弁してください。

高速度撮影における蛍光灯のチラつき問題

対にするために裏焼き、つまり左右反転したカットです。このカット、実は投げられた腕時計を回避する、というカットのつもりでした。例によって作業時間の関係でやめています。高速度撮影における蛍光灯のちらつきの問題は今後の課題です。窓の開口部の右上が画面から切れていて、完全な失敗ですね。

逃げの編集

ドリーを開発するにも載せましたが、ドリーの試験カットです。とにかく振動がすごいので、短くして逃げました。

草壁再び

草壁再び。

飛び入り参加

撮影場所に借りた建設会社の社員の方が「出たい」とおっしゃるのでありがたく、自衛隊員役で出演していただきました。鍛え抜かれた肉体と職人としての雰囲気が圧倒的な存在感を誇っています。これこそ俳優に求めるものです。すばらしい。というわけで撮影計画外のカットです。

画面を作り込む

インタホンに向かいながら、相手についてスマートフォンで確認しているその表情を捉える、となればこれ以外の構図はありえません。画面右下の角を正確に線が貫くようにしているだけですが、本当は左の木の部分と壁紙の部分の角を画面左端に当てたり、指先を上端ギリギリに追い込んだり、ということもしたいですね。

背景入れ替え用素材

単なるドリーの試験カットです。これも背景入れ替えの素材として撮っておきました。いつか使うかもしれません。

唯一のポンチョ

メイキング撮影の応援として呼んだ男に「お前ちょっとこのポンチョ着て、このメット被ってそこに立て」といい撮った撮影計画外のカットです。頭上の余白を切り詰めて、3分割法です。このポンチョ、本来なら溝呂木が着て船の舳先に佇む筈だったのですが、混乱と手違いで、ここでしか登場しないことになってしまいました。

こんぺいとう

政権与党である近代平和党、通称近平党こんぺいとう所属の防衛大臣、栗田正太郎です。撮影当日になってここは使えるということになって借りた民家での撮影計画外のカットなので、構図もへったくれもありません。

この役者は本当はジャズのトランペットプレイヤなのですが、とにかくすさまじい存在感を誇っているので、黒幕の大学教授など、その手の役で出演してもらっています。

脳天串刺しの回避

この撮影場所も写ってはいけないものが簡単に写りこむ難儀な場所だったのですが、撮影計画外のカットを稼ぎました。まあ壁の切れ端での脳天串刺しだけは避け、手前に監督が立つことで右に重心が寄りすぎないようにした、こういうカットです。

知らないカットを発見しました

撮影の合間にステディカム技師が試験目的に撮影していたカットをちゃっかり使いました。尺が足りなかったがためです。

脚本においては場所がxxxxxで車はランボルギーニ・アヴェンタドールでした

車体に隠れて射撃する、ってのをやってみました。しかし意外に難しいですね。それ以外にいうことのないカットです。なお、防弾ガラスの車輛でないと自殺行為なので、たぶん本編ではドア越しの射撃になるでしょう。構図的にはクレーンの動きがついた状態で射撃用合成を行うには、これぐらいの角度が一番楽だろう、という考えです。本当はもっといろいろやってみたいことがあるのですが、それはまたの機会にしましょう。

姑息な手段

同じカットを何回にもわけてスポッティング用に実カット数を稼ぐ、という姑息な手段が多用されています。もっと現場を効率化してたくさんカットを撮るべきですね。

広角レンズは便利な道具

グローブボックスに隠した拳銃を取り出す、というのは格好いいですよね。つまりそれだけのカットです。格好いいカットを撮るだけで良い、これが偽予告編制作の楽しさです。大変費用対効果が悪く、労働力も消費しますが、それは仕方ありません。狭いところに広角レンズを持ち込めば大抵の絵は格好よくなり、情報量も増えますので、大変おすすめできます。

物量作戦

撮影待機所のクローゼットを使って人質を演出しました。古典的な3分割法です。物量に物を言わせる絵作りは大好きで、INTERCEPTORで組んだ監視拠点のセットみたいなのをまたやりたいですね。

囲み取材の構図

やっつけで撮影待機所の壁を使って撮ったカットです。もっとマイクや手が多ければ良かったのですが、まあ、低予算なので仕方がないですね。しかしこの構図はおそらく誰もがニュースで見たことのある構図であり、人目で囲み取材に捕まった政治家なんだな、と思って貰える便利な絵ですので、問題なければ使いましょう。説明が省けます。

思いつきのカット

次のカットを撮ったときに思いつきで撮った撮影計画外のカットです。撮っておいて良かった。

需要と供給の不一致

朝っぽくならないかな、と思ったのですが、なかなか難しいですね。この可愛い衣装はまりえちゃんがBメロのサムライ古巣クリーンという作品に出演した際に使っていたのを使いました。これは「可愛い役がやりたい」というまりえちゃんの意向を完全に無視して、女刑事とかその手の役をやらせたがる監督の良心による判断と思われます。

左下の処理は及第点としても、右上に半端に入ってしまったものは消したいですね。

意味深なカットの研究

なんか意味深なカットの撮り方を開発しようと思ってやったカットです。あんまり上手くいきませんでしたね。少なくとも、もう少し花を右上にすべきでした。照明ももっと研究が必要ですね。

FILMASSEMBLER撮影部ではほぼ全員がBLACKRAPIDを使用しています

NikonとBLACKRAPIDのCM、とまで言われたカットです。撮っておいて良かった撮影計画外のカットシリーズです。

メイキングから拝借

メイキング用に撮影していたビデオの手ぶれが良かったので戦闘強化服から見た映像という解釈で効果をつけて使いました。貼り込み素材はKeynoteで作成して、Final Cut Pro Xのタイトル機能などを駆使して仕上げました。この拡大したい部分のみ拡大されるという効果はINTERCEPTORSの時も使いましたが、元ネタは「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」のサイトーが使う鷹の目です。

水平と垂直

こういうアニメ的な絵は、線がすべて垂直や水平で整っているとより格好いいのですが、そういうことはとても難しく、微妙に歪んでしまっているのが悔しいです。例えば画素数が6Kの動画から4Kの映像を出すといった製作方式であったり、人物と背景を一旦分離して補正し戻す、ということができるのであれば、修正したいと考えています。

寄って物量不足をごまかす

エコカー減税対象車を盾にするテロリストたち。まあこれはそこらへんに転がっていた一般人の日産マーチであるとすれば問題ないでしょう。例によって少ない物量がバレないことに腐心しているだけのカットです。

下から明かりを当てるとタダの肝試し

元の話にはこんなシーンないのですが、撮れそうなので撮りました。それだけです。照明が難しかった印象だけがあります。

真剣と脳天気の対比

同じカットを二つに割る姑息な手段シリーズその2です。

連れ込みATM

「マルサの女」の「花のような少女」のように、連れ込まれる女の子、という醜聞の絵を作りたかったのですが、二人が楽しく話してしまい、一番マシな物を選びました。肩や腰に手を回させれば良かったのかもしれませんが、無理を言って出てもらっているので、とても頼めなかったのです。監督は腰抜けですね。

適当にPixelmatorで週刊誌風の加工を施しています。なお、二人が立っているのは現金自動預払機の前です。

陸自迷彩の性能

資料写真を撮影する自衛隊員という体です。まあ射撃にしか見えない撮影姿勢ですが、それはそれで楽しいのでよしとしましょう。このカットで最も注目されたは、この庭の植生にこの迷彩が完全に溶け込むことで、さすが日本の植生を考慮して決定されているという陸自迷彩、と評判でした。お気づきかもしれませんが、この迷彩服、一着しかありません。

失敗カット

同じカットを二つに割る姑息な手段シリーズその3です。保有するレンズの長さと動きと腕と試行回数が求める映像の水準に達するには足りなかった、そのために頭が画面から切れてしまった、つまり失敗です。

寄せあつめ集団

人間と装備をかき集めて作ったテロリスト軍団です。「ここでゲームできるの?」と訊ねられましたがタダの撮影です。撮影技師も監督も、その場にいた人間は全員動員されました。うつっていないのはステディカム技師だけです。吹けば飛びそうな体格の監督と制作には目を瞑ってください。もっと人数がいると、こういう絵はよくなるので、是非これを呼んでいる貴方も出演したいと連絡をくれるとありがたいです。

なお白黒なのは色を調整するのがあまりに面倒だったからです。元は極めてカラフルな建物に囲まれた映像です。

ここでも人数不足

画面奥を4、5人走っていくともっとよかったな、と感じています。

カメラは少し低めに

広角レンズで人物を撮るときは、カメラを腰の高さに合わせます。すると頭が小さく見えます。基本的な3分割法によるカットですが、悪くない出来で、満足しています。

後の行程を考えて撮る

人物は3分割法、画面左端ギリギリにパイプを追い込んでいます。頭は擬似的な隙間から出してやることで、隠れて撃っているという表現を強調し、更に手前にものを立て込むことで、合成の例にふさわしい絵を確保しています。また地面を写さないことで飛んだ薬莢の処理をごまかし、薬室が写らないようにすることで、実際は発砲していないことをごまかし、という意外にいろいろな意図があって作られた絵です。合成を行うときは「このカットをどういう絵にしたいのか、その途中でどんなことになるか」を考えるだけで、後が大分楽になります。

大きな動き

強い女性が軽機関銃に装弾するときはアオリ気味で、というのは完全に「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の草薙素子の影響ですが、それと同じように銃床を伸ばしている動きを撮りました。格好いいですね。こういう大きな動きを入れるとカットの情報量が高まりますので、予告編などの寄せ集め動画を編集するときは多用します。それを狙ってカットを作ることも偽予告編撮影には必須です。

ステディカムの威力

ステディカムで撮ったカットですから、動きの大胆さがすべてです。

使えるものはなんでも使う

ドリーの試験カットからひっぱってきました。それだけです。

銃も衣装も他のカットで使っています

散弾銃で鍵を撃ち破ろうとするSAT隊員です。なおテロリスト役としても出演していただいています。

アクションは課題

アクションやらせてみたかったのですが、やはり促成栽培でどうになるものでもなく、動きの大きな数コマだけ利用して逃げました。筋トレをさせようとか、空手道場に送り込もうとか何度か画策しているのですが、未だ成功していません。

アニメと現実の違い

発砲の試験素材として撮影したのですが、いかんせん薬室問題を解決できなかったので、お蔵入りとなりましたが、もちろん深刻な素材不足ですので使います。古典的な3分割法で、強いて言えば背景の水平や垂直がもっときれいに出ると嬉しかったですが、まあ現実は描いたアニメのようには上手くいきません。

成功

単純な3分割法で、どうしても腰を落とすので、落としたときに縦方向に中心に頭が来るようにカメラを設定しました。レンズは伝家の宝刀MAKRO-PLANAR T* 2/100、F5.6で確かシャッタは1/250だったと思います。光量を稼ぐために照明担当はあらゆる照明とレフ板を総動員して、かなり大がかりな環境で撮影しました。

このカットを撮ったとき、もうこれでこの作品はやりきった、と確信した、そういうカットです。マキタの掃除用ブロワで髪をなびかせるのは写真家長野博文氏の本に書いてあったやりかたです。拳銃はSIG P223の発火式モデルガンを使っていますが、発火には失敗しています。SONY NEX-FS700の最強の武器である毎秒240コマの高速度撮影機能で撮影しました。最初は「Avalon」の最終盤、マウゴジャータ・フォレムニャックのように正面に構えさせようとしたのですが、テロリスト役として出演していた足利・S・メグ氏によってこの姿勢になりました。なお彼はブロワの操作を担当しています。演じたまりえちゃんは、眼が乾いた、とこぼしていましたが、このカットの出来のよさに免じて勘弁してください。

唯一の特撮カット

大怪獣奪還計画と言いながら、全然特撮ないじゃないかと思ったそこの貴方は甘いですね。このカットは本作唯一の特撮カットです。背景の火の粉は特撮に興味のある方ならご存じの「巨神兵東京に現る」で巨神兵を構成していった火の粉と同じ手法で撮影しています。砕いた発泡スチロールブロックを高所から落とし、ブロワでかき混ぜ、それを毎秒240コマの高速度撮影で撮影しました。なお、照明にフィルタという高価な物は用意できなかったので、後処理の段階でFinal Cut Pro Xでガウスぼかしと色調補正をかけて火の粉らしくしています。

ところで「巨神兵東京に現る」のメイキングはいつ市販されるのでしょうか。

作りたい話

警察と自衛隊がテロリストに奪われた大怪獣を取り戻そうとする話なのです。作りたいですね。この一人になってから立ち去る、というのはいいものです。通行止めができれば他の人も消したのですが・・・・・・。

こういう立ち姿は実に素敵です。

予告編らしく

文字は大臣に現金自動預払機に連れ込まれていた彼女に書いてもらいました。