SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

作例と解説

はじめに

SIGMAが満を持して発表した、Artラインの大口径単焦点です。焦点距離が35mmと、広角寄りの単焦点ですが近頃のデジタル機ではトリミングが可能なので気にならないでしょう。一般的に35mmという画角は1個の被写体に集中するには短すぎますし、風景を写すには少し長過ぎるという扱いを受けることが多いです。さらに、50mmと比較すると「パースが効きすぎる」「イメージよりも被写体が小さく写る」「写真の主題が行方不明になる(?)」…といった様々なクセが出てきます。しかしながら、このクセを上手く使い、トリミングまで含めた現像処理を前提とするとスナップにも真面目な作品撮りにも相性がよい画角であることに気づく筈です。少なくとも、私は普段はこの1本だけを使用しております。

さて、本レンズの性能や細かい評価等は様々なサイトで行われておりますので、作例中心に説明して行きたいと思います。

なお、私は気分でスナップばかり撮る駆け出しカメラマンです。作例は全て手持ちですので、細かいブレといった技術的・芸術的に拙い点はご容赦下さい。

作例1

作例1
作例1

D800 / 1/40 / 2.8 / ISO1250

さて、ラムのソテーです。

私は新しいレンズを買った時、料理の写真を良く撮ります。近距離での質感表現や色の乗り、ぼけの質といったものが容易に見られるからです。ソースの光沢感や肉の質感を緻密に再現しています。また、最短撮影距離が30cmなので比較的寄れるのも特徴の一つです。口径が大きいこともあり、室内でのスナップとも相性が良いでしょう。

作例2

作例2
作例2

D800 / 1/40 / 1.8 / ISO720

打って変わって、今度は風景です。恐らく、このような用途に使われる方はかなり多いのではないでしょうか?まず第一印象として、写真から立体感が伝わると思います。私が35mmをスナップに愛用する理由の一つとして、この立体感があります。

周辺の空間から写したい対象を浮き立てることができるため、「風景の中の一部分」を切り抜くことができます。癖の無い素直なぼけが楽しめ、多少の硬さはあれども、多くの被写体に対応できそうな描写です。また、ほぼ開放ながらも偽色等も良好に補正されており、いわゆる「絞らないと使えない大口径レンズ」とは格が違うことが分かります。

これは夕暮れ時やマジック・アワーでの手持ち撮影では有利となるのではないでしょうか?

作例3

作例3
作例3

D800 / 1/40 / 1.8 / ISO500

さて、少し寄ってみました。

ほぼ開放ながらも周辺部の画質低下は最低限に抑えられており、点光源も綺麗に丸い形を保っていることが分かります。四隅の流れも拡大しなければ気付かないレベルですし、パープルフリンジも出ていません。さすがに軽微な周辺減光は見られますが、これは好みが分かれる所です。私は個人的には好きです。実際にはこの葉とLED光源の距離は10cm程度しか離れていませんが、ここまでボケさせることが出来るのは表現上、大きな強みとなるでしょう。

作例4

作例4
作例4

D800 / 1/40 / 2.8 / ISO125

少し厳しい条件での作例です。

まず、中央部に強めの光源を入れているにも関わらず、ゴーストもフレアも発生しておりません。壁面の質感まできちんと表現されており、さらにこのランプシェードが掃除不足な事まで伝わってきます(笑)。イルミネーションを撮影する際など、輝度差が激しい状況にも対応できることが分かります。

作例5

作例5
作例5

D800 / 1/40 / 8 / ISO360

F8まで絞り込んでみました。恐らく解像度のピークはこの辺りでしょう。 栗の毬の部分まできっちりと解像し、後方は多少うるさめながら形は綺麗にボケています。