TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD (Model A007)

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作例と文:佐々井 拓也

作例と解説

はじめに

F2.8通しの標準ズームレンズは「とりあえず買っておけば間違いない」というのは昔から良く言われています。 筆者はNikonユーザーですので、初めは当然のように純正AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDを購入しようとしました。

確かに、純正の性能の高さは折り紙つきです。ですが、そもそも高画質が必要なら単焦点を初めから使えば良いのではないでしょうか。 近頃は単焦点も安価なものが流通しておりますし、サイズ的にも重量的にも遥かに有利です。

となると、このジャンルでもある一定以上の性能を備えていながら遥かに安価なサードパーティが候補にあがってきます。 純正に迫る実力を持ち、手ぶれ補正も搭載されており、さらに半分の値段である本レンズは、コストパフォーマンスで見れば最強と言えます。

作例1

純正に劣ると言いますが、それは元々純正が高性能なレンズなためであり本レンズも十分な性能を有しています。 ズームレンズにしてはヌケも良く、コントラストや色乗りも合格点レベルです。

作例2

光源を入れてもきちんと解像していることが分かります。 真夜中で、明るめの蛍光灯を何本もフレーム内に入れましたがゴースト・フレア等は見られません。 等倍でハイライトエッジを確認するとパープルフリンジが出ていることが分かりますが、許容範囲でしょう。

やはりズームレンズの宿命か歪曲が目立ちますが、補正は容易な出方をしていますし、素直な歪曲なのであまり気になりません。 解像度の面ではやはり如何ともしがたく、開放では四隅の解像度や流れが酷くなっています。 多くの場合、f/4以上に絞れば解消されますので手ぶれ補正を活かしてできるだけ絞るスタイルが相性が良いと思われます。

作例3

逆光耐性もなかなか強いため、光を取り入れたスナップに向いているレンズでしょう。 夜の町中を切り取ることが楽しくなるレンズです。

作例4

さらに嫌がらせのように光源を入れて撮ってみました。 ここまで絞れば、純正と遜色ないといっても過言ではない解像度になっていることが分かります。 ぼけついては、単焦点と比較すると圧倒的に汚くなります。

とはいえ、前・後ボケで差が小さいため被写体や状況・撮影位置の工夫で何とかできるレベルでしょう。 浮き出ている炎の質感、溶けた蝋の光沢が非常に美しく描写されています。

作例5

このように積極的に光源をフレーム内に入れることができ、また暗い環境でも撮影が可能なレンズは夜間スナップや店内での撮影に非常に有利でしょう。 さらにレンズ前15cm程度まで寄れるのはテーブルフォト等でぱっと撮るには最適でしょう。 お店で1品だけを撮ることも、テーブル全体を撮ることも可能です。

一般的なレストランは勿論、薄暗いバーやホテル等でも今までご紹介した利点が生きてくるでしょう。 なお、お店での撮影時は、店員さんに一声かけてからにしましょう(笑)

作例6

もちろん、風景にも使えます。 比較的コントラストが高く、どこでも手持ちで対応できる点は三脚なしでも撮影可能な状況を広げてくれるでしょう。

総評

さて、このレンズの欠点ですが、全てにおいてでかいことです。 なにがでかいかって、レンズ本体もさることながらフィルター経が82mmもあります。 C-PLなんて買った日には2万近くの出費になります。 そして825gの重量。なんとNikon D600シリーズより重く、D800に迫る勢い。 D800+本レンズ+クイックプレートで2kgの大台に乗りますので、丈夫なストラップと体力が必要になるでしょう。

後は、もう少し鏡胴の造りに高級感があれば良かったのですが。 良くも悪くも、TAMRONです。SIGMAのArtシリーズの造りが素晴らしいだけに、惜しいです。 まぁ、写りには関係ありませんが(笑)。

嵩張りますが、それに見合うだけの性能は持ったレンズです。 是非、使ってみて下さい。